「気が付かないうちに雑草が生えてしまった……」
「雑草の対策で何か良いものはないのだろうか」とお困りではありませんか。
雑草をそのまま放置していると、お庭全体の景観が悪くなるのはもちろんですが、芝生にもさまざまな悪影響があります。
本記事では、芝生に生えるさまざまな雑草に対する知識と対策方法。また今後、雑草を生やさないためのコツをお伝えします。
ぜひ、芝生の雑草対策について参考にしてください。
雑草はなぜ生える?
芝生へ種をまいたわけでもないのに、なぜ雑草は生えるのでしょうか。
1|雑草の種が飛んでくる
雑草の種をまかなくても、雨や風と共に飛んできます。
また、動物や昆虫などに種が付着していて運ぶこともあるでしょう。
さらに芝生の苗に付着をしていたり、目土に含まれていたりする可能性もあります。
2|雑草の根っこが残っている
雑草の根っこが残っている場合に、再び生えてくる雑草の種類は「ヨモギ・シロツメグサ・チガヤ・スギナ」といった地下茎で増える植物です。
冬の間は生えてきませんが、春を迎えると成長し増えるため、注意が必要です。
雑草による被害
雑草の生命力は非常に強く、除草をするには体力も時間も必要になります。
また忙しいときは、つい芝生のお手入れを放置しがちです。
しかしメヒシバやオヒシバなどの雑草を、そのまま放置をしていると芝生に悪影響をもたらします。
なぜなら、雑草が伸びると、日光が遮られ芝生の生育が弱まるからです。
また雑草が、芝生に与える肥料などの養分を吸収する可能性もあります。
そのため芝生へ養分が行きわたらなくなり、生育が弱まる可能性も。
雑草を放置していると景観も損なわれます。
お手入れされていない庭の場合、空き家だと勘違いされてゴミを投げ入れられる可能性もあります。
さらに雑草が生い茂るとナメクジやダンゴムシ、毛虫やカメムシなどが発生するため、衛生環境も悪化するでしょう。
メヒシバやオヒシバなどの特徴
それでは、芝生に発生しやすいメヒシバとオヒシバについて、特徴や生態を見ていきましょう。
1|メヒシバの特徴と生態
「メヒシバ」は、イネ科メヒシバ属の一年草です。
日本全域の日当たりの良い場所には、どこにでも生息している雑草です。
先端に細い穂が数本、放射線状に伸びる小型のイネ科植物ですが、成長すると80cm程の長さになります。
メヒシバの漢字表記は「雌日芝」。
オヒシバより優しい見た目から名づけられたと言われています。
メヒシバの生長点は低い位置にあるため、上部だけ刈ってもすぐに成長します。
メヒシバは他の植物の成長を妨害して、生息場所を占領する特性も。
またメヒシバの種は一度に発芽せず、長い時期をかけて発芽する雑草です。
2|オヒシバの特徴と生態
「オヒシバ」はイネ科オヒシバ属で、8~10月にかけて活動する雑草です。
オヒシバは、本州の南部に生息しており、道路わきや公園などでも良く見かけます。
草丈は、約30~80cm程度の高さがあり、穂の形状に特徴があるため判断しやすいです。
オヒシバの漢字表記は(雄日芝)。
またメヒシバよりも、穂が太くたくましい見た目から「オヒシバ」と付けられたと言われています。
オヒシバもメヒシバと同様、生長点が低い位置にあり上部を刈り取っても再生してしまいます。
さらに、オヒシバの根は「ひげ根」のため、多くの根によりしっかりと土壌を掴んでいるため抜き取り作業がとても困難な雑草です。
雑草の除草方法
庭全体に雑草が生えてしまうと、1本ずつ抜いていくのは時間も体力も必要になり大変な作業です。
広範囲に雑草の除草をするには、除草剤の使用が良いでしょう。
それでは、それぞれの除草剤の使用方法や注意点、使用時期について見ていきましょう。
1|選択性除草剤を選ぶ
選択性除草剤とは、雑草だけを枯らすのに効果的な除草剤です。
芝生は選択性除草剤の成分を分解するため、悪影響はありません。
しかし雑草は、除草剤の成分を分解できないため枯れてしまいます。
そのため芝生に除草剤がかかったとしても、枯れないので安心して使用が可能です。
除草剤を選ぶ場合には必ず「選択性除草剤」を選んでください。
また選択性除草剤の散布時期は、3月・5月・10月です。
ただし除草剤を選ぶ際「非選択性除草剤」は選ばないよう注意が必要です。
非選択性除草剤は、選択性除草剤とは違いすべての植物に作用します。
そのため、間違えて非選択性除草剤を使用してしまった場合、芝生も雑草と共に枯れてしまいます。
2|雑草の種類で除草剤を使う
種により増えていく雑草に効果的な除草剤は、雑草の発芽前に処理をする「発芽抑制剤」です。
- 発芽抑制剤の散布時期:3月・10月。
- スズノメカタビラ・メヒシバ・オヒシバ など
地下茎で増えていく雑草に効果的な除草剤は、「葉茎処理剤」です。
ただし、葉茎処理剤でもさまざまな種類があるため、生えている雑草により適切なものを選択してください。
- 葉茎処理剤の散布時期:3月・5月・10月
- スギナ・ヨモギ・チガヤ・シロツメグサ など
雑草の種類に合った除草剤を、適切に利用することで効果的に雑草を除草できるでしょう。
しかし芝生が十分に育っていない場合、発芽抑制剤により芝生の生育に悪影響が懸念されます。
そのため、芝生を張ってから1年以内は、除草剤の使用は控えてください。
関連記事:芝生で使われる肥料や除草剤まとめ|選ぶ時に知っておきたいポイント解説
雑草を繁殖させないために
雑草が生えてくるとその繁殖力は強いため、かなりの手間がかかります。
そのため、事前に雑草の繁殖させない工夫をするのが効果的です。
1|芝を長めにする
芝刈りをするとき、25mm以上の長さで刈ると「スズメノカタビラ」のような背の低い雑草には、生えるのを抑えられます。
そのため定期的に芝刈りをして、芝生の長さをキープしましょう。
2|芝の密度を上げ日光を遮る
雑草を生やさないためには、芝生の密度を上げて地面の日光を遮ることはとても有効になります。
なぜなら雑草の種は、日光がないと発芽できないため生えてこなくなるのです。
そのため雑草を生やさないためにも、芝生に隙間が空かないように密度を上げるよう育てることも大切です。
関連記事:芝生の密度はどう上げる?成長を促すお手入れのポイント
3|休眠期に肥料は控える
芝生が休眠期となる秋から冬にかけての肥料の散布は控えましょう。
芝生は休眠期に入る前に、十分な養分を溜めているので、肥料は必要がありません。
そのため休眠期に肥料を撒くと、雑草への養分となってしまい、多くの雑草が生える原因となります。
まとめ
メヒシバやオヒシバなどの雑草を放置してしまうと、さまざまな芝生への悪影響があります。
雑草が生えてきたら種類を確認後、適切な除草剤を使用していきましょう。
雑草の除草ができたら、繁殖させないための対策をすると良いですね。
美しいお庭を保てるように、雑草対策をしていきましょう。