9月は夏から秋に季節が移り変わっていく時期。台風が起こりやすく天気が安定しない季節ですが、雨が降るたびに一歩ずつ涼しくなっていく頃。気温も天気も変わりやすいことが特徴といえます。

変化の大きい9月、芝生の手入れはどのようにして行っていけばいいでしょうか?
また、寒い季節も芝生を楽しみたい方へ、9月におすすめしたいオーバーシーディングという方法についても解説するので、参考にしてみてください。

目次

    天候の変化が激しい9月の芝の水やり頻度

    9月は季節の変わり目となり、気温の変化や天候の変化が激しい季節です。芝生に水をやるタイミングはどのようにしたらいいでしょうか?

    天候に合わせて水やり頻度を変える

    9月の水やりは天候に合わせて行いましょう。残暑が厳しく、晴れた日が続くようであれば、真夏と同じように1〜2日を目途に水やりを行います。

    また、長雨が続く場合や台風が来る場合、反対に水をあげる頻度を減らしましょう。

    気温が下がってくるので水やりを少なくする

    9月は天気がよくてもだんだん気温が下がり始めます。昼間は暑い日もありますが、夜は冷え込みが強くなってくる時期です。

    涼しくなってきたら、水やりの頻度を少しずつ減らしていきます。芝生の様子を見ながら調整してください。

    天気予報をチェックしこまめにコントロールを

    天気予報をよく見て管理者が水まきの頻度を調整することにより、水による病害リスクを減らします。

    9月は天候が変わりやすい時期ですので、最新の天気予報を確認しながら散水の調整を行いましょう

    9月の芝刈り頻度は?
    暖地型と寒地型で異なる芝の手入れ

    芝生の成長には気温が大きく関わります。9月は気温が真夏と比較して少しずつ変化してくる時期で、真夏と同じお手入れでは芝の成長によくありません。

    成長速度が異なることで頭を悩ませるのが、芝刈りの頻度です。芝生の種類によって手入れの仕方が異なるので、それぞれの特徴を見ていきます。

    暖地型は9月も真夏と同じくどんどん成長

    暖地型の芝生と呼ばれる野芝や高麗芝は、残暑の厳しい9月も真夏と同じように成長します。

    カンカン照りの多い8月とは異なり、雨の影響を受けてぐんぐん大きくなりますから、芝刈りの頻度は真夏と同じようにこまめに行いましょう。週に1度芝刈りを行える状況が理想です。

    寒地型は涼しくなると元気になる

    寒地型と呼ばれるのがベントグラスやフェイクです。これらの芝は暑さに弱く、8月は成熟しません。9月に入り、朝晩を中心に涼しい日が増えてくると、寒地型の西洋芝はだんだん元気になってきます。

    気温が低い日が続く場合は、9月でも頻繁に芝刈りを行いましょう。暑すぎる場合は成長が抑制されるため、気にしすぎなくて大丈夫です。

    一年中芝を楽しむならオーバーシーディングを

    暖地型の芝生は寒さに弱く、冬を迎えることで青々した芝生を楽しめなくなります。そんなシーンにおすすめしたいのが、暖地型の西洋芝の上に寒地型の芝のタネを蒔くオーバーシーディングです。

    9月はオーバーシーディングに最適な時期なので、寒い間も綺麗な芝を保っておきたい人は試してみましょう。

    夏の芝生を短く刈り込んでから行う

    オーバーシーディングは、暖地型の芝を1cm程度の高さに刈り込んでから行います。刈り取った芝は、刈りかすをきれいに除去しておきましょう。

    芝の刈り込みが行えたら、一年生の芝のタネをまいていきます。

    一年生の西洋芝のタネをまく

    ウィンターオーバーシーディングには、一年生の西洋芝が適しています。オーバーシーディングは雑草の抑制にもつながるため、9月に行うと良いでしょう。

    1平方メートルあたり40グラム〜50グラムの芝のタネをまき、上から軽く土でおおって水をやります。種まきをしてから2週間程度は1日から2日おきにたっぷり水をあげましょう。こうすることで種が発芽し、冬を越す準備が行えるようになります。

    秋の変わりやすい気候に対し、環境適応力を上げるには

    9月は季節がどんどん変わっていきます。初旬のころ真夏の名残がありますが、9月末になると秋めいた日が多くなってきます。

    環境の変化が大きいこの時期は、芝生の肥料としてリン酸やカリウムを施すことにより、芝生の周囲への環境適応力を上げることができます。

    リン酸は芝の成長や抵抗力アップに

    9月に肥料として与えたいのがリン酸です。リン酸は芝の成長や分けつを促してくれる効果があります。また、芝の抵抗力アップも見込めるので、病害虫に対して強くなることが期待できます。

    暑さ涼しさの切り替え時で、暖地型芝生にとってまだまだ成長できる9月は、寒地型芝生にとって成長を早める時期になります。病害虫に強くなり、成長を助けてくれるリン酸を与えることにより、芝生の緑をきれいに保てます。

    カリウムは根を強くし環境に対応する力をつける

    カリウムもリン酸と同じく9月に与えたい肥料です。根の成長を促し、強くしてくれるカリウムは、変化の大きい9月に欠かせない肥料といえます。

    気温や天候など環境の変化が大きい時、根が強いことで安定して水や栄養を芝が吸収できるようになります。栄養状態が良いことで病害虫への抵抗力も上がるため、寒くなっていく時期への準備にはカリウムも与えてあげましょう。

    9月の芝は病害・害虫に注意

    9月は真夏に比べると雨が多くなり、湿度が上がる傾向にあります。そこで気になるのが、害虫の被害です。

    湿度の点で梅雨に似た時期になりますので、対策も6月・7月と似たようなものになります。梅雨と異なるのは、9月は真夏の生育期の後であるということです。

    9月は芝生の密度が高く湿気が溜まりやすい

    夏の成長期を越えると芝生は生い茂り、芝生の密度が高くなっていきます。

    芝生の密度が高いと、湿気が溜まりやすく病害虫の温床になりやすくなるという弊害があります。病気や害虫の被害に遭わないよう、きちんと手入れを行いましょう。

    ツトガの害虫被害に注意

    真夏に大きくなり密集した芝生が一部薄くなってきたり、地上部分が欠けるようになったら、害虫を疑いましょう。

    予防的にオルトランを散布したり、虫を発見した場合はスミチオンやダイアジノンなどで対処したりすることで、被害を少なく食い止めることができます。

    雨が降るようになったらさび病やカーブラリア葉枯病に注意

    真夏で天候の良い日が続くと、病気のリスクが下がります。しかし、9月に入り長雨が降り出すと、再びさび病やカーブラリア葉枯病になる可能性が上がります。

    病気が出る前に殺菌剤で予防する必要があります。芝の様子を観察しながら、薬剤散布も視野に入れましょう。

    まとめ

    天候が変化していく9月は、芝生への水やりや芝刈りの頻度が変わってきます。そのため、真夏とは異なる肥料や病気対策が必要になります。

    一方、寒地型の芝生を暖地型の芝生の上にまくことで、冬も芝生を楽しめるオーバーシーディングに適した時期でもあります。芝生にとって変化の大きい時期を楽しみましょう。

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