芝生はホームセンターや通販で、切り出された状態(切り芝)でよく販売されています。

今回は芝生の生産・出荷の様子から、実際に購入する時の違いや注意点をまとめています。芝の販売形状による違いや得手不得手までお話していきます。

目次

    芝生生産者の1年の工程

    地区によりますが、国内の芝生生産者の多くが日本の気候に合う暖地型芝を栽培しています。

    2月頃から土壌の改良・調整をはじめ、3~4月に芝を筋植えします。筋状にした芝生は活着・詰まりが早いため、このように植え付けていきます。

    4月~12月は除草、施肥などの手入れや生長具合や状況に合わせた薬剤散布を行い、月2回程度の芝刈りを行います。

    芝の植え付けから半年、およそ秋頃には収穫が可能となりますが、畑によっては1~2年後に収穫・出荷するところもあります。

    切り芝の出荷の様子

    芝生が出荷できる状態になったら、注文に応じて地面ごとライアンカッターで切り出して出荷準備をします。芝が傷まないように気をつけながら、マット芝は束にまとめて、ロール芝は丸めてくくり、段ボールに入れて発送します。

    季節によってはクール便を使い、乾燥や熱のダメージを受けない様にしています。ただし雨が降ると芝と土が水を吸って段ボールを汚してしまったり重量が増えすぎてしまうため、多くの業者が雨の日の切り出し出荷を避けています。

    通販などでの直接の注文や、園芸店やホームセンターなどへの出荷が主になります。

    主な国内生産地

    暖地型芝は日本の気候に適しており、植え付け後成長すれば7~10年と長く収穫することができるためです。

    中でも大規模に生産しているのが茨城県です。日本芝の生産出荷数が日本一で、国内生産の約半数が茨城県です。他にも鳥取、鹿児島、宮崎、静岡、北海道などが有名です。

    また、地域によって地質が違うため、育てやすい品種が変わります。例えば茨城県なら高麗芝や野芝、北海道は寒冷地なのでほとんどが寒地型西洋芝です。

    購入できる芝生の形状

    種の状態と、切り芝の状態、ポット苗など、芝は様々な形状で販売されています。

    切り芝は種よりも初期育成が簡単なので、早く広い範囲に芝生を敷きたい時に向いています。また、マット状やロール状など業者によって大きさも様々で張りたい範囲に合わせて選ぶことができることも選ばれることができることも魅力です。

    最近ではグラウンドなどの広範囲に芝を植える際にはポット苗を使用することも増えてきました。

    切り芝(マット芝)は一般家庭から広範囲まで使いやすい

    切り芝は正方形、もしくは長方形のマット状にカットされた状態で販売されます。産地や業者によって1枚当たりの大きさが違いますが、どれもおよそ1束で1㎡前後になっています。

    芝同士の間隔を空けたり、逆にしっかりと敷き詰めたり、場所に合わせて切って大きさを調整することができるので、一般家庭でも扱いやすい状態です。1束9~10枚で、500~1500円ほどでホームセンターなどの店頭や通販で購入できます。高麗芝、姫高麗芝、TM9など暖地型芝の多くがこの形で購入できます。

    特に日本でよく使用される高麗芝は種からの育成が難しいため、マットで購入する人がほとんどです。

    広い場所に張るならロール芝

    切り芝よりも大きく切り取られた、広範囲に張る時に便利な芝生です。運ぶ際にはくるくると巻かれてロール状になっているのでロール芝と呼ばれます。

    広い範囲を張る時には手間が少なく、継ぎ目が減るので見た目がきれいになるところが利点です。ロール芝は店頭に並ぶことは少なく、通販での購入がほとんどとなります。実物を見ての購入ができないため、購入する際には大きさをよく確認してから購入しましょう。

    種類によるので相場はかなりばらけますが、通販では1㎡あたり送料込み5000円前後のショップが多いです。

    ポット苗はかなりの広範囲用

    広範囲に点々と植えるポット苗も販売されています。こちらは校庭やグラウンドといった広い場所に大人数で植える場合などに主に使用されます。1㎡に4~5個の苗を植えて、徐々に芝の面積を広げていくように育てられます。

    手があれば植えるのが比較的簡単で、学校や自治体が緑化活動の一環として使用することもあります。成長繁殖力が高く踏まれることにも強いティフトン419がよく使用されています。

    5cm角のキューブで100苗単位(20㎡分)での販売がされています。

    種は素人向けではない

    芝の種はロール芝や切り芝と比べて安く販売されています。しかし、種からの育成は均等に発芽させることが難しく、成長までに時間もかかるためおすすめしません。温度や季節に成長が左右されるため、広範囲に種をまいたが発芽しなかったなどの失敗談も多く、一般で育てるのは難しいでしょう。

    こうした種は業者など植物を育てることに慣れている人に向けたものがほとんどです。ただしプランターで小規模に育てたい場合なら、成長を見守ることができて楽しむことができるでしょう。

    切り芝の購入先

    切り出された芝生は、通販もしくはホームセンターなどの店頭で購入することができます。店頭なら実物を見ることができますし、通販なら鮮度がよいものが届きます。

    どちらで購入した場合でも購入後は風通しの良い日陰に保管し、早めに芝張りを行いましょう。

    ホームセンターでは実物を見て購入できる

    暖地型のマット芝が店頭に並ぶのは3~6月頃と9~10月頃で、特に春は芝がその後成長する時期に入るので植え付けに最適な時期です。

    ホームセンターなどでは入荷し積み上げられたマット芝を見ることができます。店舗で売られている芝は、入荷してから日数が経過している場合があるので購入時にはよく観察することが重要です。具体的には「乾燥して枯れている」「重なっていたところが蒸れてダメージを受けている」ものを選ばないことです。根まで枯れている状態では復活は見込めず、手入れをしてもその部分は青くなりません。

    店頭で購入する際は、マット芝の水分量や葉・根の色味をよく観察して生き生きとしているものを選びましょう。また、入荷日を店員に聞いておく、予約・取り寄せをしてもらうなど新鮮な状態で手に入れることも大切です。

    業者購入は鮮度が良い

    ネット通販では注文後に切り出して発送してくれる業者も多く、店舗を介さず購入できるため鮮度の良いものが購入できます。また、マット芝だけでなくロール芝(ミニロール芝)などの大きさも様々あり、芝を植える範囲によって選ぶことができるところも通販のメリットです。

    送料やクール便手数料がかかる場合がありますが、直送なので芝が新鮮なため、枯れて張り直しといったリスクが低くなります。購入した芝は家に届くので、重たい芝を運ぶ手間も省くことができます。

    ただし実物を見ることはできないので、厚みや色味は到着してから確認することになります。

    まとめ:
    芝は鮮度が命!心を込めて届けています

    今回は芝の生産・出荷の様子から出荷時の形状についてお話しました。芝の出荷の様子から追っていくと、私たちの手元に届くまでにも大切に育てられたものだという意識が湧いてきます。

    枯らしてしまったり芝張りに失敗しないように、鮮度の良いものをよく見極めて購入しましょう。

    しばふるオンラインストアでも芝生(ティフトン)の購入ができます。

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